発表概要
タスクを用いた言語指導は,第二言語習得の基盤的研究と,教授法研究の接点として注目を浴びており,これまでもその指導がもたらす介入効果の記述と説明が,第二言語習得研究の理論的,及び実証的な調査や実験的研究結果から試みられている。本発表は認知的相互作用主義(cognitive-interactionist)の視点に立ち,タスクを用いた言語指導研究における,実験心理学的アプローチによる一時的・短期的・横断的研究と,指導法の介入効果による学習者パフォーマンスの長期的変容を見る縦断的研究から得られる知見の接点を探る。そのために,これまでのタスク関連研究の流れと理論的背景,それらを踏まえた実証的研究を俯瞰した後,それぞれのアプローチから得られる知見の有用な点,ならびに限界点を指摘し,整理する。その整理に基づき,それぞれの研究から主張できること・できないことについて考察する。最後に,それまでの考察を以って,今後のタスクを用いた言語指導研究の実施に対する示唆と克服すべき問題点を提示する。
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最終更新: 2014-02-11 (火) 23:48:42 (JST) (3725d) by kawaguchi