分厚い中間層の学生を対象としたグローバル人材育成方策と成果
- 講師:小野 博(福岡大学)
講演概要
福岡大学では、分厚い中間層の学生(TOEIC350〜450)をグローバル人材に育成する英語教育プログラムを平成25年度から本格的に始めることとし、それに先駆けて、24年11月から7週間のトライアル学習を実施した。その間、月曜日から木曜日の5・6次限の対面学習に加え、週末講座や課題を多く課した。
英語学習に合わせて学習に対する動機付けとモチベーションの維持を目的に、
(1)役者を指導者とするコミュニケーション能力育成ワークショップ
(2)留学生と共同作業を行うグロ−バル対応力育成ワークショップを実施した。
英語学習として、
(1)問題数が多く、間違えた問題が繰り返し学習可能なNewton社のTOEI対応e-learning教材、および
(2)学生の興味をそそる多彩な映像を用いたEnglishCentral社のspeaking学習教材を用意し、2つの教材の併用学習により英語力のアップと英語学習へのモチベーションの維持に努めた。
(2)学習者相互のinteractionを重視したInteractive English
(3)スコアアップを目指すTOEIC講座
更には、
(4)欧米で盛んなコミュニケーション能力育成方法である英語によるドラマメソッド
(5)ロス在住ジャーナリストによる「やさしい英語による授業」や大学関係者・経済人の講演会
(6)英語による会話への話題つくりや広く社会を知るための新聞購読(毎日)等も実施した。
海外の短期英語研修の事前学習である対面授業に参加した「対面学習組」38人とe-learningのみの学習を実施した「ネット学習者」42名の学習状況・成果の比較分析結果について報告する。また、2週間のOxford大学における短期英語研修への学生の取り組みについて報告したい。特に毎日英語だけの6時間の授業に積極的に参加した学生の英語学習への思いや、授業を担当したOxford大学の教員の学生への高評価の原因の分析、指導教員が考える「海外研修に参加し成果が出やすい学生」についての考え等を報告する。