発表概要
多肢選択式語彙サイズテストの過大評価(overestimate)の問題を解決する方法の一つに「分かりません」という選択肢を付与するという方法がある。先行研究では,当て推量を用いた正答の抑制に有効であると言われているが(e.g., Zhang, 2013), テストで出題された語の頻度レベルおよび学習者の習熟度の影響は考慮されていない。本研究では,多肢選択式語彙サイズテストにおいて,「分かりません」の付与による当て推量を用いた正答の抑制が,出題語彙のレベルと学習者の習熟度の影響を受けるかどうか検証した。日本人英語学習者20名を対象に,3つのレベルから成る2種類の語彙サイズテスト(「分かりません」あり・なし)を実施し,各テストにおいて当て推量による正答数に差があるかどうかを比較した。その結果,「分かりません」を付与することで, 5000語・7000語レベルのテストにおいて、熟達度が低い学習者の当て推量を用いた正答を抑制できることが明らかになった。
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最終更新: 2018-11-14 (水) 13:11:06 (JST) (1962d) by kawaguchi