要旨
本講演では,オープンサイエンスを巡る社会的動向を踏まえながら,外国語教育研究の今後の在り方について検討したいと思います。オープンサイエンス(open science)とは,社会一般が,容易に,研究成果やそれに付随するデータにアクセスできるようにしようとする動きを指します。2010年代に入り,日本においても,さまざまな学術領域に渡って,オープンサイエンスについて広く議論されるようになりました。しかしながら,外国語教育研究の文脈において,これらに対する議論は,十分に行われてきたとはいえません。その理由としては,いまだオープンサイエンスが確たる定義を持っておらず,流動的な側面を持っていることがあげられます。船守(2017)によると,オープンサイエンスは,大きく3つの観点から考えられます。それぞれ,(1)研究成果や研究資料の公開・共有,(2)新たな学術の次元の追求,(3)社会との協働の3点です。本講演では,上記3つの観点を中心としながら,オープンサイエンスの実体を紐解き,外国語教育研究を文脈においたオープンサイエンスの重要性について,フロアと議論しながら考えていきたいと思います。
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最終更新: 2019-12-14 (土) 11:02:20 (JST) (1557d) by kawaguchi