発表概要
タスクに基づく教授法(Task-based language teaching, TBLT)は、認知的アプローチによる第二言語習得研究をもとに提唱されてきた教授法のひとつであり、近年ではさまざまな周辺分野の知見を取り入れながら発展してきています。本発表では、TBLTの基本的な考え方、提唱された背景および関連研究、近年の動向、そして残されている問題点を、講演者が行ってきた研究に触れながらお話したいと思います。本発表の中で扱う内容は以下のとおりです。まず、(a)最初期にTBLTが提唱されるきっかけとなり、その後も活発な研究が続いている、教授法の心理言語学的な根拠を概観し、その上で(b)他分野からのさまざまな批判を踏まえ、TBLTに取り入れられてきている教育思想を説明し、最後に、(c)日本という文脈に即した、TBLTが持つ未解決の問題、および教育実践に対する意義を考察します。これらの内容を俯瞰した上で、議論を通して、TBLTに対する考察を深めたいと思います。
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Last-modified: 2016-05-25 (Wed) 14:49:46 (JST) (3253d) by ozeki