研究発表
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概要
本研究は、統語的曖昧文の曖昧性の解消におけるプロソディーの利用に注目した。統語的曖昧文とは統語的に複数の構造を持つ文であり、英語音声の場合曖昧性の解消にはプロソディーが手がかりとなる。曖昧文の解消の成否がプロソディーの訓練によって改善するかどうかを検討した。訓練ではプロソディーに注意が向くように一部分が強調された、非曖昧文のシャドーイング訓練を行った。そしてリスニングのみの訓練を行う場合と比較して訓練前後で実験参加者の曖昧性解消の成否が改善するかどうかをみた。英語学習者32名に対してシャドーイングとリスニング訓練を行い、それぞれの前後で曖昧文の聞き分けテストを行った。分散分析の結果、両訓練間で効果の差は見られなかった。しかし相関分析の結果、リスニング訓練前後では曖昧文聞き分けテストの成績に緩やかな相関が見られ、一方シャドーイング訓練前後では有意な相関が見られないことがわかった。このことからシャドーイング訓練後の曖昧性の聞き分けに何らかの質的な変化が現れたと考えられる。
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最終更新: 2011-05-08 (日) 21:52:14 (JST) (4884d) by ozeki