概要
近年、様々な施策が実施され、社会における顕在的な性差別は以前より軽減しているように思われる。しかしながら、「見えないカリキュラム」に束縛された学校という文脈において、意識のレベルでは、いまだ、両性に対するステレオタイプ的な見方が根強く残っていることも事実である。今回のシンポジウムでは、スポーツメディアにおける女性表象の問題を長く考究している小林と、大学における女性エンパワメント施策の立案や実施に関わる研究をしている三枝から報告を行った後、石川は、現代英語や英語教科書における女性表象のゆがみについて報告する。3人の報告の後、(1)外国語の教材開発や教授においてジェンダーの問題にどうアプローチするべきか、(2)学生のジェンダー・ステレオタイプの改善に外国語教員は何ができるか、(3)教育現場においてジェンダーの問題を考える場合、女性教員・男性教員のコラボレーションをどう進めていくべきか、(4)単なる男女差を超えて、ジェンダーという概念に本来含まれるcis以外のnon-binaryへの配慮をどのように行っていくべきか、(5)ジェンダー問題にセンシティブな学生を育てることは、逆説的にインクルージョンを阻害するのではないか、といった論点について各自の意見を示しつつ、フロアとの意見交換によって、より良い外国語教育の実践の方向性を探っていければと考えている。
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Last-modified: 2022-05-19 (Thu) 16:24:28 (JST) (979d) by kawaguchi