発表概要
手話の指文字は,音声言語のアルファベットに相応し,手話学習の重要な入口の一つでもある.手話では手指動作や形状が類似した表現間で表出や読取の誤りが起こりやすいことが教育現場でよくいわれる.それは指文字でも同様に起こるようである.そこで本研究は,日本手話学習者の指文字の誤りを分析し,指文字の学習の際に学習者が留意すべき指文字間の形状的関係を明示することを目指した.本研究では動きのない41指文字を対象とし,手指形状を7つの特徴(掌の向き,手の向き,各指の情報)でとらえている.初学者の指文字の誤りを観察すると,手指の特徴の一部が捨象された際に形状が類似するような関係(部分的形状類似)の指文字間で誤りが多く現れる.そこで,誤りから捨象されやすい特徴を推定し,その下での部分的形状類似に基づいた指文字間のクラスタを得,手話教育担当者の精査を経て,学習時に留意すべき指文字の類型を与えた.
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Last-modified: 2019-11-13 (Wed) 17:50:08 (JST) (1858d) by kawaguchi