講演概要
本講演では、戦後史と社会統計の2つの観点から、私たちが馴染んできた「当たり前」の英語教育観の相対化を試みたいと思います。
グローバル化が進んでいる"とされる"現代、英語教育の重要性はともすると疑う余地のないものと見なされがちです。この点に関して、私は、次の2つの問いを投げかけてみたいと思います。
問い1については、拙著(『「なんで英語やるの?」の戦後史』、研究社、2014)を素材に、歴史的な観点から考えてみたいと思います。実は、選択教科だった中学校英語が、事実上の必修教科に「アップグレード」したのは1950年代、つまり、まったくグローバル化が進んでいない時代のことでした。このように、英語教育政策は、グローバル化ではなく、様々な政治社会的要因の相互作用によって進展することがあることをお示しします。
問い2については、種々の社会統計から実態を明らかにしてみたいと思います。その結果、日本社会のグローバル化は、おそらく私たち英語教育関係者が考えているよりも、ずっと限定的だということがわかると思います。
以上、2つの相対化を踏まえて、より妥当性の高い英語教育目的とは何かを考察してみたいと思います。
Counter: 2660,
today: 1,
yesterday: 0
最終更新: 2014-05-24 (土) 15:15:50 (JST) (3623d) by ozeki