発表概要
借用語(Loanwords)は高頻度語彙3,000語において、約半数以上を占め(Nambu & Suzuki, 2019)、借用語指導は語彙習得の促進方略として有効だとされているが、借用語の語彙定着度を検証した研究は多くはみられない。そこで本研究では、生起頻度順位1,000位ごとの語彙カテゴリからランダムに抽出した借用語78語を用いて、私立短期大学1年生76名を英語熟達度に有意差のない処置群(n = 37)と、対照群(n = 39)に分け、借用語の受容語彙力を測定するListening とReadingのpre-post-遅延postテストを実施した。結果、Listening, Readingともに習熟度上位・下位群ともに借用語の明示的指導は有意に作用し、Readingでは上位群の方が下位群よりも語彙定着度が有意に高いことが明らかになった一方、Listeningにおいては上位・下位群の定着度の有意差は見られなかった。以上の結果から、語彙の頻度・親密度・音節数等の特性が技能によって定着度に異なる影響を及ぼす可能性が示唆された。
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Last-modified: 2019-11-13 (Wed) 17:49:01 (JST) (1986d) by kawaguchi