発表概要
ライティング・スピーキング評価の観点の一つとして,語彙の豊かさ(lexical richness)の測定が挙げられる。語彙の豊かさは,学習者がどのくらい多様且つ広範な語彙を使用しているかを量的に示す指標であり,学習者の熟達度,アウトプットの質,受容語彙サイズ,産出語彙の語彙的発達に大きく寄与する。
しかしながら,語彙の豊かさ指標に関する先行研究において,信頼性・妥当性の検証が十分に行われているとは言い難い。信頼性・妥当性を欠いた指標を用いれば,研究の結果や解釈が誤った方向に進むおそれがあるため,その検証は極めて重要な課題である。
本発表では,語彙の豊かさ指標の先行研究における信頼性・妥当性の検証の実態と課題を概観した上で,語彙の豊かさ指標に関する信頼性・妥当性の基礎的検証の方向性を示す。また,基礎的検証に大きく関わるテキストの長さとトピック,併せて考慮すべきではないかと発表者が提案するテキストのスタイルの3種類の要因に焦点を当てる。
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Last-modified: 2014-02-11 (Tue) 23:48:15 (JST) (4021d) by kawaguchi