発表概要
第二言語と母語の言語処理とでは、言語的特徴に対する影響が異なることが指摘されている。例えば、頻度効果は第二言語の方が大きいと報告されている。本研究は、頻度効果の相違は、言語間の競合によるものか、第二言語に対する言語接触量の違いに起因するものなのかを検証した。言語間の競合とは、第二言語を処理するとき、単語を認知するために、第二言語間だけでなく第二言語と母語の間で、言語競合が起きるため、頻度効果に差が大きくなるという説である。例えば、オランダ人英語学習者は英語で“bale”という語を認知するのに、似たようなつづりの英語“bake”と区別するだけでなく、母語であるオランダ語“balk”とも区別する必要がある。この説が正しければ、アルファベット以外の言語を母語に持つ日本人英語学習者には頻度効果の差は見られないことになる。本研究では、日本人英語学習者と英語母語話者を対象に語彙性判断課題を行った。その結果、日本人英語学習者は母語話者より有意に頻度効果が高いことが明らかになった。
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Last-modified: 2019-05-06 (Mon) 18:26:28 (JST) (2106d) by kawaguchi