発表概要
本研究では、第二言語習得における名詞句の発達段階説について、日本語母語英語学習者のエッセイを用いた分析を通してその普遍性を検証する。調査対象は、英文エッセイを集めた学習者コーパスNICERの日本人英語学習者35ファイル、英語母語話者9ファイルとし、調査項目は、仮説内で発達段階のステージが2から5まで割り振られている名詞句12個に、仮説に含まれていない17個を加えた名詞句29個とした。100語あたりの使用頻度、使用比率、母語話者による学習者の修正率を、学習者対母語話者間、また学習者のCriterionのライティングスコア間で比較した。その結果、学習者は母語話者に比べ22個の名詞句において使用頻度が低く、また前置修飾の使用率が高かった。さらに、学習者のスコア間の比較から、同じステージ内の特徴でも発達難易度に違いがあることが示唆された。そこで、既存の仮説を再考し日本語母語英語学習者における名詞句の発達段階を新たに提案する。
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Last-modified: 2021-11-24 (Wed) 16:49:21 (JST) (1107d) by kawaguchi