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第一言語の頻度及び親密度が第二言語語彙学習に与える影響
発表概要
第二言語における語彙習得研究では,対訳である第一言語の具象性が高い場合や同根語である場合,語彙習得が促進されることが報告されている(de Groot & Keijzer, 2000)。換言すると,第二言語における新出語の獲得には,第一言語の特性が影響していると考えられる。しかしながら,先行研究では,英語・オランダ語を対象として、疑似語を用いた検証が行われており,第一言語の特性が第二言語語彙習得に与える影響が考慮できておらず(de Groot & Keijzer, 2000; Tinkham, 1993; 1997)、また、英語・日本語を対象とした類似の研究は少ない。そこで本研究では,日本人英語学習者28名を対象に,第二言語の実在語彙の獲得に第一言語の頻度と親密度が影響しているかを相関分析を用いて検証した。その結果、先行研究の結果とは異なり,語彙テストの正答率と第一言語の頻度及び親密度に有意な相関関係は見られなかった(頻度:rs = .15 , p = .34, 親密度: rs = .25, p = .11)。よって,本研究の結果からは,学習者の第一言語の特性は必ずしも第二言語の獲得に影響していない可能性が示唆された。
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Last-modified: 2019-11-13 (Wed) 17:48:00 (JST) (1986d) by kawaguchi