発表概要
言語の習得に一時的な情報の保持と処理を行うワーキングメモリ(作動記憶)が深く関わっていることは多くの研究で実証されています。しかし,第二言語のリスニング能力と音韻的作動記憶の関連性については必ずしも一致した見解が報告されているわけではなく,その理由の一つに作動記憶を測定するテストの種類や項目に一貫性がないことが挙げられます。本講演では,2016年度外国語教育メディア学会の論文賞を受賞した研究について,その背景から,課題・実験デザインの立案,実験項目の作成,データ収集と分析,結果の解釈,そして,論文執筆・投稿に至るまでの一連の過程について,苦労した点やその打開策といった研究の実際についても触れながらお話しいたします。また,本研究では扱うことができなかった学習者の言語知識をより反映した音韻的作動記憶の測定についての今後の展望にも言及したいと思います。
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Last-modified: 2017-05-02 (Tue) 17:57:31 (JST) (2910d) by ozeki