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第2言語聴解時における音声速度と脳活性度の関係について:光トポグラフィによる観測
発表概要
本研究の目的は、第2言語聴解時に、音声速度の上昇に伴い、脳内の処理活動がどのように変化していくかを光トポグラフィによる脳機能イメージング手法を用いて観測することである。右利きの日本人英語学習者を対象に、標準速、2倍速、4倍速と速さの異なった合成音声課題を聴かせ、脳内で言語音声理解を担う聴覚野、ウエルニッケ野付近の血流量を半球別に計測した。実験の結果、標準速と2倍速での音声聴解時を比較すると、2倍速音声の聴解時は、右半球では賦活が増加するのに対し、言語野があると言われている左半球では賦活が減少した。速度が速くなるにつれ、言語的処理等を担っている左半球からプロソディ等を処理している右半球への活動のシフトが観測された。また非言語音に近い4倍速の音声聴解時の脳賦活度は、2倍速聴解時よりも減少した。音声速度の上昇による言語の曖昧性の増大に伴い、脳内での処理活動も変化する可能性が示唆された。
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Last-modified: 2015-10-27 (Tue) 01:19:13 (JST) (3376d) by ozeki