発表概要
教育活動において、学習者の学ぶ意欲やその学習方法は学習の成否に大きく関わるものと考えられる。堀野・市川(1997)は高校生の英単語学習に関して、学習動機を6種類に分類し、学習動機と学習方略との関連を調査した。6種類の学習動機を因子分析した結果、学習内容を重視した動機と軽視した動機にグルーピングされ、学習内容を重視した群のみが、テスト成績への有効性が示される方略(体制化方略)を使用していることが示された。
本研究の目的は、日本人大学生の学習動機と学習方略を調査し、それぞれの構造と関連を堀野・市川(1997)の「高校生の学習動機・学習方略・学業成績の因果モデル」と比較、検証するものである。学習内容を重視した動機かどうかで2つにグルーピングされた先行研究結果とは異なり、3つの要因が示された。そのうち、学習することの楽しさや学習している自分に対する感情によって動機づけられた群が体制化方略の使用との有意な関係を示した。高校生を対象とした先行研究と異なり、大学英語教育での学びへの意欲や自尊心を高めることを目指した授業実践の必要性が示唆された。
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Last-modified: 2015-11-02 (Mon) 12:00:31 (JST) (2956d) by kawaguchi