発表概要
外国語レベルが初級・中級の学習者は、外国語テクストを構築する際、母語から外国語への直訳をライティング方略として用いる傾向にあり、一連の言語処理プロセスにおける「和文和訳(母語パラフレージング)」の重要性は高い。本取組みでは、原言語のパラフレージングを効果的に行うため、機械翻訳のプリエディットで使用する制限言語(CL: Controlled Language)に着目した。CLを基盤とした留意事項を作成し、それらに準拠したパラフレージング活動が学生の学習成果に与える影響を調査した。具体的には、母語パラフレージングによる学生の学習認識の変化、及び、外国語テクストの局所的箇所の発展への影響について検証した。処置群と対照群を設定し,Webアンケート調査とテクスト分析において、両群の統計的な有意差があるのかどうかを検討するためにt検定を実施し、効果量を算出した。統計的分析の結果、処置群の学習成果が有意であったことが示された。学生はL2センテンス構築の読みやすさに対する意識を高め、CL留意事項の観点から、自らの伝えたい事を分かりやすく表現するための「学び」を進めてきたと捉えることができよう。
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最終更新: 2018-12-29 (土) 21:01:44 (JST) (1944d) by ozeki