発表概要
本論文では、日本人英語学習者を対象に、「英語圏への留学経験がある学習者群(SA群)は、未経験学習者群(AH群)よりも、3つの心理的欲求の充足度は高くなるのか」を研究課題として設定し、調査を行った。この「心理的欲求」とは、英語学習に対して学習者が抱く情意面の欲求のことで、自律性、有能性、関係性の3欲求から成り立つ。研究参与者は、愛知県内の大学(院)にて英語を専攻する学生(英語圏へ8か月以上留学したSA群とAH群を60名ずつ、計120名)とした。また調査方法としては、廣森(2006)で使用されたアンケートなどを用いた。結果、有能性では両群間で有意差が見られたが、自律性と関係性では両群間で有意差が見られなかった。従って、英語圏へ留学をすることで、「英語ができるようになった」という欲求の充足感は高くなる一方、「主体的に英語学習に取り組んでいる」、または「他者と協力的に英語学習を行っている」といった気持ちの充足には、直接的には結びつかない可能性が高いことが明らかとなった。
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最終更新: 2014-02-11 (火) 23:49:22 (JST) (3727d) by kawaguchi