発表概要
"先行研究で、音楽適性と第二言語の音韻的短期記憶力や音韻認知力との関係が指摘されているが(Call, 1985; Gottfried, 2007; Sleve & Miyake, 2006)、具体的にどのような音楽的側面が、どのような第二言語の音韻処理の側面と関係しているのか、また、それは言語によって異なるのかについてはまだ明らかになっていない。
そこで本研究では、リズム感・音感という二つの音楽適性が高い日本人の高校生は、英語プロソディ処理能力が高いという仮説を立て、検証を試みた。
調査では、高校1・2年生を対象に、第二言語プロソディ処理能力を、①句の切れ目、②語の強調、③抑揚、④韻律などの観点から、音楽適性をリズム感・音感の観点から評価した。評価に用いた言語プロソディ処理能力テストは、上記①〜③の認知を測るPEPS-C(2012)の下位テストと、④についての個別言語プロソディ識別テストである。音楽適性テストには、Gordon(1979)のリズムテストと音感テストを用いた。 6つのテストデータ間の相関分析を行った結果、音楽適性テストと第二言語プロソディ処理テストには中程度の有意な相関が認められた。また、重回帰分析の結果、音楽適性のうちリズム感は第二言語プロソディ処理能力の一部の側面に対して有意な説明力がある反面、音感については有意な説明力がないことが明らかになった。 "
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Last-modified: 2014-05-02 (Fri) 15:26:51 (JST) (3326d) by ozeki