発表概要
これまでの英語話者を対象にした研究からは,音韻認識は英語のデコーディング能力や読解能力との関連が強いことが明らかになっているが,どのレベルの音韻認識が必要かは研究によって議論が分かれている。また,第二言語においては高熟達度の学習者を対象とした研究はあるものの,初期の学習者を対象とした研究は限られている。 これらを踏まえ,本研究では初期の日本人英語学習者を対象に,日本語と英語で必要な音節・モーラ・音素レベルの音韻認識課題,デコーディング課題および語彙知識(語彙サイズ)課題を実施し,その特徴を探索的に調査した。それぞれの課題の成績を用いて混合分布モデルによる分析を行い,3つのグループに分類し,その特徴を記述することでプロファイリングを行った。結果,音素レベルの音韻認識のみが他のグループより著しく低いグループは,デコーディング課題と語彙サイズも低い成績を示した。このことから,音素レベルにおける音韻認識の低さと,デコーディングや語彙の習得困難性が結びついている可能性が示唆された。
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Last-modified: 2015-10-22 (Thu) 23:14:01 (JST) (2897d) by kawaguchi