外国語教育基礎研究部会 第1回特別セミナー
- 第1回特別セミナーを開催いたします。参加費は無料です。非会員の方でもご参加いただけますので,ふるってご参加ください。
- ポスター(差し替え版):第1回特別セミナーポスター_ver.2.pdf
- 日時:2014年 3月 30日 (日) 14時〜16時30分
講演「外国語教育研究における歴史的手法 ――自著『「なんで英語やるの?」の戦後史』を素材に」
- 講師:寺沢 拓敬(国立音楽大学 非常勤講師)
要旨
外国語教育研究ではマイナーだと思われる歴史的手法について、自著を素材に論じる。
まず、歴史的手法において、知識とデータ(つまり「史料」)がどのように位置づけられているか論じる。この議論を踏まえ、しばしば「懐古趣味」と見なされてしまいがちな歴史的手法にも、量的研究や質的研究と共通する部分が少なくないことを示す。
次に、歴史的手法の具体的な事例として、新制中学校英語の「事実上の必修化」過程に関する発表者の研究を紹介する。現代でこそ、全中学生が外国語(英語)を学ぶことは当たり前の状況だが、戦後しばらくの間は、けっして自明ではなかった。新制中学校の英語は当初「選択教科」だったからである。こうした「選択教科」の過去は、1950年代・60年代に「事実上の必修教科」へ徐々に移行することで忘却され、その結果、現代の私たちにとってごく自然な「《国民教育》としての英語」が成立したのである。しかし、英語の《国民教育》化を促したのは、社会の英語ニーズや、政府の英語教育政策、英語教員たちの働きかけなど、英語教育に関係が深い要因ではなかった。むしろ、戦後初期の「偶然の要因」の影響が大きかった。これら偶然の要因を明らかにするうえで、歴史的手法が重要な位置を占めていたことを例証したい。
お問い合わせ先
- 外国語教育基礎研究部会 事務局(担当:川口)
添付ファイル:
KisoKen20140330配布用.pdf 267件
[詳細] zengaku_kitato.png 127件
[詳細] 第1回特別セミナーポスター_ver.2.pdf 195件
[詳細] 第1回特別セミナーポスター.pdf 164件
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最終更新: 2014-04-09 (水) 11:15:09 (JST) (3663d) by kawaguchi