文字提示の有無がShadowingの効果に与える影響について:CALL教材開発のための基礎的研究
発表概要
リスニングやスピーキング力を高めるための指導法としてShadowingに関し数多くの研究や実践事例が報告されている。本研究は、Shadowingによりフレーズがどの程度記憶されるか、また、文字情報を提示することがその効果に影響するかを中国語母語英語学習者42名を対象に調査した。VOAの記事と音声をもとにShadowing教材を作成した。前半と後半(それぞれ約1分)とで文字の提示の有無を入れ替え、6回のShadowingを行った。教材に含まれる各フレーズの先頭2単語に続く部分を産出(口頭及び筆記)してもらい再生率を学習前後で測定した。3要因混合分散分析の結果、交互作用はなく、文字提示の有無による差は見られなかった。遅延テストでの成績の降下と筆記による解答での成績優位性が観察された。発表では、アンケート結果と合わせて、学習者のレベルと教材の難しさ、練習方法への慣れ、そして解答方法の影響について議論し、CALL教材開発に際して注意すべき点を考察する。
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最終更新: 2018-11-14 (水) 13:09:20 (JST) (1989d) by kawaguchi