発表概要
本研究では,日本人英語学習者のライティングにエラータグが付与されたKonan-JIEM Learner Corpus (Nagata, Whittaker, & Sheinman, 2011: KJLC)を用いて,文法的誤りの頻度からライティング評価の予測を試みた。KJLCは10個のトピックを含んでいるが,本研究では,各トピックの文法的誤りの頻度を基にクラスタリングし,この頻度の類似度が高い5つのトピックを対象とした。基準変数は,成田(2013)で優れていると評価されたものを1,そうでないものを0とした2値データを用いた。またKJLCでは20種類のエラータグが付与されているが,成田による評価の2つのカテゴリーで平均値が大きく異なる10個のエラータグの頻度を開平変換し,予測変数とした。標準ユークリッド距離を用いた近傍法を使用し,評価データにおいて,本予測方法を用いて算出した評価と成田による評価のカッパ係数は.57であった。今回の結果から,文法的誤りの頻度のみを用いても,学習者のライティング評価は,高い精度で予測できることが示唆された。
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Last-modified: 2015-02-10 (Tue) 23:51:56 (JST) (3586d) by kawaguchi