発表概要
従位接続詞becauseは新情報を導入するため、一般的に主節の後ろに生起すると考えられる(Swain, 2005)。しかし、英語学習者はその規則を無視してbecauseを使用するため、たとえ熟達度の高い学習者による文章でも、母語話者にとって不自然な文章になる場合がある。そこで本研究では、NICER_1.0(杉浦,2018)に含まれる日本人英語学習者287名と英語母語話者55名のエッセイにおいてbecauseの使用頻度、位置に違いがあるか、そして情報構造という観点から誤用分析を行った。しかしながら、本研究ではbecauseの使用頻度、使用される位置に関して、英語学習者と英語母語話者には大きな差は見られず、また情報構造という点から分析しても、英語母語話者の文章には日本人英語学習者とほぼ同じ程度の誤りが確認された。このことから、情報構造におけるbecauseの誤用は必ずしも英語学習者特有のものではない可能性が示唆された。
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Last-modified: 2019-05-06 (Mon) 18:25:57 (JST) (2040d) by kawaguchi