発表概要
日本語を母語とする英語学習者の動詞下位範疇化情報の処理が自動化されているのかを調査するため、視線計測装置(EyeLink1000)を用いて、英文処理時の視線の移動過程を記録した。自己ペース読み課題で同様の実験を行ったJiang (2007)を参考に、下例のようなto不定詞の選択等に関する誤りを含む文と誤りを含まない文を用いた。
例. The teacher insisted*/wanted the student to start all over again.
分析では16名分のデータを基に、誤りを含む場合と含まない場合を比較して、知識の自動化を示唆する注視時間等の違いが認められるかを検証した。結果として、誤りと判断できる語(to)を含む領域において、総注視時間に統計的な有意差が認められた(1137ms. vs. 990ms.; t(15) = 3.78, p = .002)が、初回注視継続時間では有意差は認められなかった(707ms. vs. 663ms.; t(15) = 1.85, p = .084)。発表では、総注視時間と初回注視継続時間が、外国語学習者にとってどのような性質を持つデータであるかという検討を通して英文処理の自動化について議論する。
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Last-modified: 2015-10-29 (Thu) 17:33:16 (JST) (3334d) by ozeki