発表概要
第二言語処理能力が上達すれば文法的な誤りに気付く能力も高くなると考えられる。しかし、読解を行う際に、注意が言語形式に向けられる場合と意味理解に向けられる場合とでは、誤りの検出には差が出る可能性がある。自然な読解であっても、気づきやすい誤りとそうでないものとがあるのではないか、そしてそれが第二言語における文法項目の習得のしやすさに関係しているのではないかと考えられる。
本実験では、英語学習者16名(TOEIC平均:849.13)を対象に、意味理解を目的とした読解を行う際の視線計測データを観察することで、誤りの種類(埋め込み疑問文、仮定法、不定冠詞、三単現-sの4種類)とその気づきやすさを調査した。
視線計測の測定値における二元配置分散分析(文法×文法項目)の結果、文法性の主効果が認められなかった。この事から、意味理解を目的とした読解中に形式の誤りを検出する事は、学習者には難しいと考えられる。しかし、2要因の交互作用の分析では、仮定法における文法性、埋め込み疑問文における文法性の単純主効果が見られた測定値も存在した。その為、この二つの項目が持つ言語学的要因の影響についても検討した。
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最終更新: 2015-11-01 (日) 10:14:28 (JST) (3099d) by ozeki