発表概要
データ駆動型学習(DDL)は用法基盤モデルに基づく学習法とされるが、その理論的基盤の検証は未だ不十分である。本研究では日本人高校生43名を対象に、学習者がDDLを通した豊富なインプットから、動詞の用例のパターンを一般化することができるか検証した。参加者は、与格交替可能なthrowクラスの動詞6語および、不可能なwhisperクラスの動詞6語から各3語ずつのみDDLで用例を学習した。また、参加者は学習の前と後で、両クラス全ての動詞について二重目的語構文(DO)で使われる場合とto与格構文(PD)で使われる場合の文法性を−3〜3の7段階で評価した。その結果、学習をした動詞だけでなく、学習していない動詞についても、throwクラスは両構文において評価値が3に近づき、whisperクラスはPDでは3に、DOでは-3に近づいた。分散分析の結果、評価値の変動は統計的に有意であった。よって学習者はDDLを通して、動詞の意味的類似性に基づいた用例の一般化をしていることが示唆された。
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Last-modified: 2021-11-24 (Wed) 16:58:08 (JST) (1210d) by kawaguchi