発表概要
言語適性と呼ばれる言語分析能力は、他の2つの能力(音韻的能力と記憶力)に比べて、どの学習段階においても学習効果に大きな影響を与える重要な要素だとされているが、具体的にどういった能力で、言語のどんな側面(統語構造や機能)と関連した能力であるのかは明らかにされていない。そこで、言語分析能力がL1とL2で関連した能力であるのか、どういった文法項目に影響を与える能力であるのかを実験した。日本人英語学習者の大学生78人に対して、日本語、英語の言語分析能力テストと英語の文法理解テストを5つの文法項目をターゲットにして実施し、相関分析と分散分析を使って各テストの関係性と回答の傾向を調べた。日本語と英語の言語分析能力には相関がみられたが、同文法ターゲットごとよりも、異なったターゲット同士のほうがより強い相関があった。文法理解テストと言語分析能力テストの得点のばらつきを分散分析でみてみると、言語分析能力テストは文法項目ごとに共通した得点傾向がみられたが、文法理解テストにはみられなかった。
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最終更新: 2016-02-13 (土) 00:04:52 (JST) (2997d) by kawaguchi