発表概要
本発表では,CAFの存在論的な実在性を問い直し,CAFはその成立背景から総括的モデルに属すが反映的モデルとして捉えられてきたという理論的な「ねじれ」を指摘する。そして近年の有力な見方のひとつとして複雑性理論の観点を取り上げ,CAFを複雑系から創発する表面的な現象と捉えることを試みる。そして,そのような観点から見て立ち現れる二つの問題点,すなわち(1)指標選択の恣意性に関する問題と,(2)テクスト情報と能力および認知プロセスの同一視に関わる問題を取り上げ議論する。これらの考察をもって,パフォーマンス分析から認知プロセスの特定を行うこと試みは,科学的知識の収束を阻害するといった根本的問題を持つことを指摘する。
Counter: 805,
today: 2,
yesterday: 0
最終更新: 2018-02-11 (日) 22:38:01 (JST) (2259d) by kawaguchi