発表概要
門田(2002)は、日本人英語学習者のリスニングが上達しない理由は音声認識において、大部分を全体的チャンク処理よりも分析的な処理方法に頼ることが原因であると示唆している。河野(2001)によると、全体的音声処理機構は分析的音声処理機構よりも音節が生起する間隔が短いときに作動する。このことから、速聴による訓練と全体的処理能力の間に関係があることが期待される。本研究では、全体的音声処理を促進することを目的とした速聴演習の効果を検証した。TOEICリスニング教材を使用し、模擬テスト、トランスクリプト読解後の再テストという手順で、リスニング練習を標準速グループと速聴グループに分けて実施した。各5日間のトレーニングを通した事前事後テストの結果は両グループとも有意に向上した。また2倍速の聞き取りにおける事前事後テストの結果は速聴グループのみ有意な差が認められた。発表では実験結果に基づき、音声言語の認識メカニズムについて議論する。
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Last-modified: 2015-03-14 (Sat) 10:14:03 (JST) (3563d) by ozeki