発表概要
母語と大きな違いのある英語の受動態は、日本人学習者にとって習得が難しいとされる。日本人学習者コーパスを分析したOshita (2000)とOwada (2013)は、自動詞用法のみを持つ非対格動詞の過度受動化を報告している。一方、文法性判断テストを行ったOshita (2002)とKondo (2013)は、非能格動詞に比べ、自他両用の非対格動詞において過度受動化の誤りが多いとの結果を得ている。これらの先行研究は留学経験のある熟達度の高い学習者を対象としているため、本研究では一般的な日本の高校生が産出した英文をコーパス化して分析することにより、高校生による受動態表現の習得状況を誤りの観点から考察する。データは約200人の高校生が書いた5回分の英作文で、総語数は約6万語である。自他両用と自動詞のみの非対格動詞、非能格動詞、他動詞の4種類37個の動詞を抽出し、過度受動化の誤りを調べた結果、非能格動詞の受動態において先行研究での結果よりも高い誤用率となった。
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Last-modified: 2018-01-11 (Thu) 17:43:50 (JST) (2623d) by ozeki