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文中におけるコロケーションの処理に対するL1の影響:EFL学習者に対する自己ペース読み課題による検討
- 西村 嘉人 名古屋大学大学院生
- 福田 純也 名古屋大学大学院生・日本学術振興会特別研究員
発表概要
第二言語習得研究の分野において, L1とL2で直訳が一致するコロケーション (e.g., 強い風→strong wind) と一致しないコロケーション (e.g., 強い雨→heavy rain) を対象とした研究が行われてきている。そこでは,フレーズ性判断課題やプライミング課題の結果から,前者の方が後者より容易に習得されることを示している。これまでコロケーション習得の有用性として強調されてきた「コロケーションは言語使用時の認知的負荷を緩和する」という観点から見ると,実際に習得されたコロケーションが言語使用時にそのような機能を持つか検証する必要があるが,意味中心の読解を行う際に個々のコロケーションにどの程度認知的資源を割いているかは定かでなく,文読解時に学習者がコロケーションに敏感でないことを示唆する研究もある。本研究では,日本語を第一言語とする英語学習者に対して自己ペース読み課題を行い, L1とL2が一致する条件 (CC)と一致しない条件 (IC) 間の反応時間を比較した。結果として,CCはICと比較してコロケーション読解時の負荷が小さいことが示され,文中における処理の観点からもコロケーション使用の認知的な有用性が示唆された。
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Last-modified: 2015-10-22 (Thu) 23:49:49 (JST) (3332d) by kawaguchi